京都で、あ、禅。「凡人墨客」気づく・向き合う・振り返る

2026.03.20-03.22|京都で、あ、禅。「凡人墨客」気づく・向き合う・振り返る

本展「凡人墨客」は、自らを「凡人」と称する四人の作家による、気負いのない、しかし鋭い「禅」へのアプローチが垣間見える展示となっている。
会場を見渡すと、伝統的な書の枠組みを軽やかに飛び越える表現が目を引く。
端正な額装作品の傍らには、ユーモラスな大根を描いた掛け軸や、微妙な表情の変化を湛えた四枚の面(マスク)が並ぶ。
窓枠から吊るされたパネル貼りの作品は、外光を透かしながら坪庭と一体化し、「禅」が説く境界の曖昧さを視覚化している。
折本に躍る力強い筆致や、整然と配された印影の構成美は、文字が持つ純粋な造形力を再発見させる。
彼らが掲げる「気づく・向き合う・振り返る」という態度は、単なる技術の誇示ではない。
書の伝統が形骸化することへの危機感を共有しつつ、あえて「凡人」の視点から日常の中に潜む精神性を掬い上げようとしている。
それは、墨という古くからの素材を用いながらも、現代を生きる私たちの内面を映し出す鏡のようだ。
作品を前にしたとき、鑑賞者は「あ、禅」というささやかな気づきを得るのか、あるいはその大胆な試みに「唖然」とするのか。
その揺らぎを伴う対話こそが、この空間を完成させる最後のピースとなっている。

作品展について

2026年3月20日(金)〜3月22日(日)10:30-17:00
※最終日 15:00まで
入場無料

京都で、あ、禅。
展覧会タイトル「凡人墨客」は「文人墨客」の言葉遊びです。
「文人墨客」とは詩文や書画などの風流に親しむ人をいいます。
「自分たちは文人ではなく、凡人ですね。」
オンライン会議で出てきたこの他愛もない会話がタイトルの元となっています。
昨年のメンバーに引き継ぎ、新たに加わった仲間と共に第2回となる本展覧会を京都で開催できることを嬉しく思います。
今回は、京都を舞台に展覧会を行うということで、「禅」をテーマに据えて作品を制作しています。
サブタイトルの「気づく・向き合う・振り返る」を念頭に、各々が禅について考えて、調べて、感じたものを作品に盛り込んでいます。
公募展や社中展のような日頃の練習成果や技術向上を目的としたものではありません。
一見、書と切り離されているようなものに接近を試みたり、書を通して題材の持つ魅力に迫るなど、チャレンジングな内容となっています。
私たちの作品を通して、「あ、禅!」と皆さんに気づきを与えられるのか、もしくはただ「唖然」とさせてしまうのかわかりませんが、自由に鑑賞していただき、作品を通して皆様と対話ができれば嬉しく思います。
年齢や所属する社中、専門とする書の分野も違う4人ではありますが、現代の書に対する危機感を持っているという点で共通の思いを持っています。
これからの書芸術文化の発展の一端となれることを願って挨拶とさせていただきます。
どうぞごゆっくりご覧ください。

作家プロフィール

凡人墨客

Instagram
https://www.instagram.com/shimensyoga/

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