Kenmeism Exhibition「current location」

2024.08.27-09.15｜Kenmeism Exhibition「current location」

鮮烈な色と緻密な線描の重なり合いによって時間と記憶の層を可視化し、自分自身の「現在地」を静かに問い返してくる作品の数々。
Kenmeismによる本展「current location」では、自身の描いたイメージをプリントし、切り貼り、さらにレジンで封じ込めるという独自の技法によって「描く」と「記録する」の境界が曖昧に溶け合った作品を公開している。
蛍光ピンクやライムグリーンといった強い色彩が、黒のドローイングや写真的断片とせめぎ合いながら、日常に潜む混沌と躍動を映し出している。
元小学校教員という経歴を持つ作家は、「今ここ」に立つ感覚や、子どもたちと過ごした日々の残像をレイヤーのように積み重ねながら制作をしているのかもしれない。
軽やかな線が空想のキャラクターや都市の断片を結びつけ、見る者の視線を絶えず旅へと誘う。
透明なレジンの奥に封じられた世界は、過ぎ去った瞬間のきらめきを閉じ込めたタイムカプセルのようである。