Zhang Zhenlin & Liu Lichen「漆をぬる、道をゆく。 − 張振林・劉麗晨 二人展」

2026.09.08-09.13|Zhang Zhenlin & Liu Lichen「漆をぬる、道をゆく。 − 張振林・劉麗晨 二人展」

漆特有のしっとりとした光沢と柔らかな曲線が静かに佇む空間。
塗り、乾かし、研ぐという塗膜の積層が醸し出す重厚な時間性が、二人の作家の手を経て現代的な立体造形へと昇華されている。
張振林の作品は、スポンジ成形と脱胎乾漆の融合により、本来の柔らかさを漆の静謐な存在感へと置換したものである。
ミニマリズムを体現する有機的な黒や朱のフォーム、壁面に浮かぶ流麗な漆の造形は、見る者に素材と空間の境界を問いかける。
対して劉麗晨は、漆に刺繍を掛け合わせ、生命の痕跡や自然の形態をたどる。
苔をまとった漆黒の鹿の佇まいや、やわらかなベージュ色のうさぎの造形、イラスト的な絵付けを施した立体には、死や喪失を抱え込みながらも生きる温もりが宿る。
「起源」をめぐり存在の根源を探求する者と、「死」という未知の恐怖を出発点に生の痕跡の定着を試みる者。
対照的な問いを抱く二人は、漆という時間を受け止める媒介を通じ、自己と世界を静かに凝視している。
両者の現在地が交差する本展は、伝統工芸の枠を超えた漆の新たな可能性を示すとともに、鑑賞者自身の歩みと問いを優しく映し出す機会となるだろう。

作品展について

Along the way with Urushi
Zhang Zhenlin & Liu Lichen ― Two-Person Exhibition

漆を塗り、乾かし、研ぎ、また塗る。
その繰り返しの中で、私たち自身もまた歩みを重ねていきます。
本展では、二人がそれぞれの道を進みながら、漆と向き合い、思考し、成長してきた軌跡を紹介します。
展示される作品は現在地であり、これからも続いていく道の一つの通過点です。

2026年9月8日(火)〜9月13日(日)10:30-17:00
入場無料

作家プロフィール

張振林

私は漆とミニマル美学との融合を探求しています。
作品の中で、永続的で静謐な存在感を表現したいと考えています。
スポンジ成形と脱胎乾漆を組み合わせ、スポンジの柔らかさを漆の質感を持つ立体造形へと変換し、複合素材を用いながら、より新しい漆の表現を探求しています。

テーマについては、主に「起源」という概念をめぐって制作しています。
私はどこから来たのか。
社会はどこから来たのか。
生命はどこから来たのか。
まだ答えの見つからない問いを、作品の中に込めています。
私にとって漆は、単なる工芸素材ではなく、時間や感情を受け止めることのできる媒介です。

Instagram
https://www.instagram.com/shinrin_zzl/

劉麗晨

私は自然から心身の癒しを得ており、自然界に存在するものの形や生命のあり方を創作のインスピレーションとしています。
そして、漆による表現を基盤としながら、漆と繊維を組み合わせる研究を始めました。
異なる素材が持つ特性や質感を通して、新たな表現の可能性を探求しています。

テーマについては、死という未知なるものへの恐怖を出発点としています。
身近な人との別れをきっかけに、私は改めて死について考え、生きることの意味を見つめ直すようになりました。
漆が持つ時間性を拠り所としながら、個人的な感情や存在の痕跡を作品の中に留め、それが死を超え、存在をつなぎ続けるためのメディアとなることを願っています。

Instagram
https://www.instagram.com/___lichen_/

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