日本画二人展「せっせっせーのよいよいよい」高林ゆり 常峰すずか

2025.12.9-12.14|日本画二人展「せっせっせーのよいよいよい」高林ゆり 常峰すずか

京都市立芸術大学の学生二人展「せっせっせーのよいよいよい」。
白い壁面と黒の梁が織りなす対照がほどよい間を生み、その空気感のなかで二人の作品がゆるやかに寄り添い合っている。
柔光を吸い込んで揺らめく風景表現や、素材そのものの存在感を前に押し出した挑戦的な作品がならび、日本画という領域が静かに拡張していく手触りがある。
高林ゆりの作品は、澄み渡った青や緑を基調に、自然が息づく瞬間をすくい取るような穏やかな佇まいを見せる。
岩絵具の粒が光を含み、細やかな揺らぎを画面にもたらすことで、風に触れる空気の温度や、木陰の柔らかな濃淡までも思い起こさせる。
一方、常峰すずかは絵具を素材性に注目し、厚みや起伏をそのまま造形として大胆に取り込んだ作品を制作している。
見慣れた題材が表面の変化によって新たな姿をまとい、記憶と触覚が曖昧にまざり合うような魅力を秘めている。
日本画を学ぶ途上にある二人が、それぞれの方法を模索しながら放つ初々しい熱を帯びた本展。
手遊びの掛け声に潜む「始まり」のリズムが、作品と空間の間に軽快な響きを生み、鑑賞者の視線をそっと未来へと導いていく作品展である。

作品展について

2025年12月9日(火)〜12月14日(日)10:30-17:00
入場無料

この度、二人展「せっせっせーのよいよいよい」を開催します。
二人にとって初めてのギャラリー展示となる本展。
日本画を学び発信する第一歩となる、そんな始まりの二人展として、手遊びの最初の掛け声である「せっせっせーのよいよいよい」を展示名にしました。
自分なりの描き方を模索し、それぞれ異なる個性をもつ日本画作品たちを、どうぞお楽しみください。

作家プロフィール

高林ゆり

自然豊かな地域で生まれ育ち、自然がもたらす造形美や空気感に惹かれる。
自然物からなる画材を用いる日本画で、日々アプローチや表現の方法を模索している。

[略歴]
2003年 京都府出身
2025年 京都市立芸術大学 美術学部 日本画専攻 在籍

[展示歴]
2023年 第4回 常磐津部展
2024年 第5回 常磐津部展/京芸祭フラット展
2025年 第6回 常磐津部展/第3回 コーポレートアートエイド京都 入選 京都市京セラ美術館展示

Instagram
https://www.instagram.com/tkbys_lily

常峰すずか

日本画材の特性を活かし、絵具を色としてだけではなく素材としても魅せる表現を模索している。
また、既視のものに宿る良さを改めて感じられるような視点を大切に制作している。

[略歴]
2003年 大阪府出身
2025年 京都市立芸術大学 美術学部 日本画専攻 在籍

[展示歴]
2024年 「窓」itonowa 土間ギャラリー(京都)/「Cutie Fruits」・「書道部展」京芸祭有志展
2025年 「学生アートコンペ」アイギャラリー(大阪)/「地下鉄北山駅アートプロムナード」(京都)/「書道部展」京芸祭有志展

Instagram
https://www.instagram.com/tnmnszk

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