2025.12.2-12.7|「織って 縫って 二人展」松田博子 古田土照子
京都手織機研究所の織機〈フラミンゴ〉が来場者を迎え入れる形で設置され、展示全体を包み込む「手しごとの呼吸」を象徴する存在となっている。
壁面には淡いブルーやホワイトの立体的なテキスタイルが配置され、まるで空気そのものが柔らかく波立っているかのようである。
棚に並ぶバッグや小物には、多彩な糸が折り重なることで生まれる揺らぎが宿り、光の角度や時間の経過によって表情を変える微細な質感が穏やかに目を引く。
一定の構造を持ちながら、その奥には素材を選び、糸を渡し、織り進めるという「時間の層」が静かに息づいている織物。
古い着物が新たな布として息を吹き返す作品には、記憶と再生の物語が宿り、手仕事が持つ優しい循環のかたちを見せてくれる。
松田博子・古田土照子両作家の感性が交わる展示は、日々の暮らしにそっと寄り添う温もりと、ものづくりが本来持つ静かな強さを伝えてくれる。
作品の前に立てば、糸の陰影が語りかけるような気配に包まれ、織るという営みの豊かさをあらためて感じ取ることができるだろう。










作品展について
2025年12月2日(火)〜12月7日(日)10:30-17:00
入場無料
作家プロフィール
松田博子
Instagram
https://www.instagram.com/ateliermiez/
古田土照子