笠原彰人展「ありよう」

2025.04.08-04.13｜笠原彰人展「ありよう」

鮮烈な色彩と細密な構成がせめぎ合う画面に、笠原彰人の独自の世界観が広がっている。
花々や装飾模様、幾何学的な形が層を成して溶け合いながら、同時にそれぞれが自立した存在として輝きを放っている。
具象と抽象、装飾と構築、そして無意識と作為のあわいを往還する構図は、絵画という形式そのものへの問いかけのようである。
偶然を排して構成するという制作意図の積み重ねが、かえって作品の中に有機的なリズムを生み出し、視覚の奥にある感覚を呼び覚ます。
モチーフ同士が何かのために在るのではなく、ただ在ることそのものを肯定するような世界。
その重なりの中に、作者が見つめる「美しさの根源」が透けて見える。
鮮やかな色と形の複合体。
その渦中に見る者は誘われながら、自身の感覚の中にもまた、多層的な響きを見出すことになるのかもしれない。

作品展について

2025年4月8日（火）〜4月13日（日）10:30-17:00

ひとつの画面に具象、抽象、装飾、有体など相反する表現を構成しています。
全てのモチーフはそれぞれに在り、互いに何かの為に在る訳ではありませんが、複雑に入り組み重なり合い全てが互いに影響されています。
モチーフも表現方法も、多くの要素を取り込み絵画と柄の境界、アートと手仕事の境界を模索します。
自分が綺麗だと思う物や心地よいと感じる色や形を上手く表現したいと思い、無意識や偶然をなるべく排して作為をもって構成された私の世界の有様です。